ところが1993年、暫く映像作品を作っていなかった九州の福間さんに、僕は「映像書簡」を送りたくなって、短い映像を作ったのですが、それは何故か8mmフィルムでした。多重露出や長時間露光というような技術的な面もさることながら、撮影結果が直ぐ出ない、逆に言えば自分を信じるしかない撮影時の緊張感が必要な、祈りのような、呪文のような、気持ちを託せるような、何かが届く感じのする手触り。それが幻想であっても、そのように信じきっていた自分がいた事実を、その時の、そして今の自分が否定する事は出来ないのです。