映画監督・大島渚の素顔を、妻・小山明子さんの視点を通じ描く。 　　今年１月に死去した映画監督・大島渚。常に時代を挑発する作風と、過激な言動で知られた大島監督はその作品と同じく、波乱の人生を歩み続けた。そしてそのすぐ隣には、映画監督・大島渚の妻として、また女優として生きる、妻・小山明子さんの深い葛藤があった。社会への批判と挑戦を続ける夫を懸命に理解しようと努力した青春時代。さらに大島監督が脳出血で倒れて以降は、後遺症を負いながらも映画「御法度」に挑もうとする夫を支える重圧が小山さんにのしかかる。 　　自らもうつ病に苦しみ、夫の看護もままならず入退院を繰り返すこととなった小山さん。しかしその苦悩はやがて、「御法度」の完成、そしてカンヌ映画祭出品で報われる。それは二人が本当の夫婦になっていくまでの知られざるドラマでもあった。こわもてのイメージで知られた大島渚の素顔を、妻・小山明子さんの視点を通じ描く。