南条組ニ代目の夫を亡くし、三代目を襲名した志保（嘉門洋子）は看護婦として働きながら渡世稼業をしている。そんなある日志保の働く病院に重傷を負って意識不明の男・昌也（デビッド伊東）が担ぎ込まれた。傷は快方に向かっていた昌也だったが、意識を取り戻したとき記憶喪失に陥っていることが判明する。さらに、昌也を脅迫する組員風の男たちが現れ、病院内は騒然となる。見かねた志保は傷の癒えた昌也をかくまい、記憶を取り戻すまで面倒をみようと病院に黙って昌也を連れ出す。しかし、南条組若頭・大野（菅田俊）は昌也を一目見るなり志保に忠告する。昌也は伊達組の組員だった男で、組の金に手をつけて逃亡中の身であった。回状の回ってる人間をかくまうことは極道の世界では御法度であるとたしなめる大野。一方、昌也が南条組の元にいると知った伊達組若頭・坂巻は南条組組員・田端（やべきょうすけ）らを襲う。負い目を感じた昌也は単身伊達組に。するとそこには昌也の唯一の肉親・妹の早百合がボロ雑巾のような姿で倒れていた。早百合に会って記憶を取り戻した昌也だったが、壮絶なリンチを受けて事切れる。駆け付けた志保は絶望的な顔で昌也を抱き締める。そして…。霧雨の中、怒りと悲しみに震える志保が長ドスを携えて歩く。脇から大野が傘を持って現れ、ふたりして伊達組に乗り込んでいく…。